招待された覚えは無いが
黒い幌馬車が迎えに来た
鞭声鳴らすつぎはぎドール
「飛び切りスイートなもてなしを」
招待状はどこにも無いが
揺らぐ幌馬車が向かったのは
高尚な程気味の悪い
「ようこそ我らが館へと」
真っ青な顔で ふらめきながら
灰皿のように彼は言う
「そうだ!しがらむ赤い糸も
全部投げ棄ててしまおうぜ
キャンドルの火を灯せ 揺らせ
蝋が溶けるまで踊るのさ」
招待客は他にいないの?
疑問提供も虚しくなる
「私とほら踊りましょ」
カボチャの匂いで汚れた少女
わっと驚くような味のデザートに認めた誓いの言葉
「どうぞお口になさって、きっとお気に召される筈」
ラルラ!
「いつまでっても夢見がちな
アンタもちょっとは気付こうぜ」
乾涸びた風船泥にまみれ
キャンドルの火は灯された
「何を馬鹿な事を、あれはアンタが今節丁寧に焼いたんだろう」
「そうだ!伯打つ赤い林檎
全部投げ棄ててしまおうぜ
キャンドルの火を灯せ 揺らせ
蝋が溶けるまで踊るのさ」
「いつまでっても甘えがちな
アンタもそろそろ気づいたか?」
単純なほど気味の悪い
どうやら夜明けは来ないらしい
「ついでに一つ確認するが
アンタもここで働くよな?」